縒・撚(読み)よる

精選版 日本国語大辞典 「縒・撚」の意味・読み・例文・類語

よ・る【縒・撚】

[1] 〘他ラ五(四)〙
① 糸、または糸状のもの何本かをねじり合わせて一本にする。ひねってまつわらせる。
万葉(8C後)四・五一六「吾が持てる三相(みつあひ)に搓流(よれル)糸もちて付けてましもの今そ悔しき」
徒然草(1331頃)九「女の髪すぢをよれる綱には、大象もよくつながれ」
② ねじり曲げる。ねじって螺旋状にする。
※新古今(1205)夏・二六三「よられつる野もせの草のかげろひて涼しくくもる夕立の空〈西行〉」
③ 縛る。くくる。
※法華義疏長保四年点(1002)四「有る人、其の手足を縛(ヨリ)たり」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒よれる(縒)

より【縒・撚】

〘名〙 (動詞「よる(縒)」の連用形名詞化) 縒ること。ねじってからみ合わせること。また、その縒ったもの。
名語記(1275)四「衣裳をはりてよりかくるといへるより、如何。よりはいとうちの反、糸なり」

よ・れる【縒・撚】

〘自ラ下一〙 よ・る 〘自ラ下二〙 ねじれる。からまる。よった状態になる。
政基公旅引付‐文亀三年(1503)七月一〇日「早田之穂出て、其まま白色に干付て葉はよれて赤色也」

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