総合大学設置法(読み)そうごうだいがくせっちほう

大学事典 「総合大学設置法」の解説

総合大学設置法[仏]
そうごうだいがくせっちほう

複数のファキュルテ(単科大学)の連合体にユニヴェルシテ(総合大学)の名を与えることを定めた,1896年7月10日のフランスの法律。第三共和政下で19世紀末に進められた一連の大学改革の到達点とされる。この法律によって15の大学区のそれぞれに総合大学が設立され,ナポレオンによる帝国大学(ユニヴェルシテ・アンぺリアル)体制を刷新し,1968年のエドガール・フォール法まで,七十余年にわたってフランスの大学を制度的に規定した。当時の大学改革では,ドイツの大学の隆盛,普仏戦争の敗北といった状況下で,単科大学に分断されない「科学」を行う場としての総合大学の創設が,国の再建という理念とも結びついて求められた。改革の当初には,より少数の主要大学を創設することも議論されたが,この法律では各大学区の既存の単科大学をそのまま束ねて総合大学の名を与えることとなり,再編には至らなかった。一体的な総合大学の具体化という方向性は,その後の大学改革でも継続して追求されている。
著者: 白鳥義彦

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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