綯交(読み)ないまぜ

精選版 日本国語大辞典 「綯交」の意味・読み・例文・類語

ない‐まぜ なひ‥【綯交】

〘名〙
① 種々の色糸をまぜて紐(ひも)をなうこと。また、その紐やその紐で作られたもの。
※浮世草子・好色一代男(1682)五「菅笠に紅裏(もみうら)うってなひまぜの紉(ひぼ)を付」
歌舞伎で用いるはち巻の一種。丸ぐけの緒をなわのようになったもので、結んだ両端を角のように立てる。荒事師の奮闘の時に使う。〔新時代用語辞典(1930)〕
③ 歌舞伎脚本作法の一つ。二つ以上の在来の筋(世界)をまぜ合わせて、一編の脚本に仕立てること。また、その脚本。例えば「隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)」は、「清玄桜姫物」と「加賀見山」とから仕立てたもの。
※東京朝日新聞‐明治三六年(1903)九月一四日「此時狂言菅原忠臣蔵の綯交にて」
④ 種々のものをまぜ合わせて、一つのものにまとめること。また、種々のものがまぜ合わさっていること。
浄瑠璃傾城八花形(1703)三「此証文に請人きもいりなひまぜの彌太八と判形有」

ない‐ま・ぜる なひ‥【綯交】

〘他ザ下一〙 なひま・ず 〘他ザ下二〙
① 種々の色糸をまぜて紐をなう。
※浄瑠璃・賀古教信七墓廻(1714頃)桜祭文「よりまぜ、ないまぜ、桜むすびの花かづら」
② 二つ以上のものを一つのものとしてまぜ合わせる。
※雑俳・千枚分銅(1704)「手は手同士足は足同士ないまぜて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報