立込・立籠(読み)たちこめる

精選版 日本国語大辞典 「立込・立籠」の意味・読み・例文・類語

たち‐こ・める【立込・立籠】

[1] 〘自マ下一〙 たちこ・む 〘自マ下二〙 霧、煙などが一面に満ちおおう。たちおおう。
金葉(1124‐27)秋・二四〇「河霧のたちこめつれば高瀬舟わけ行く棹の音のみぞする〈藤原行家〉」
※新後拾遺(1383‐84)秋上・三四六「立ちこむる関路も知らぬ夕霧に猶吹き越ゆる須磨秋風俊成女〉」
[2] 〘他マ下一〙 たちこ・む 〘他マ下二〙 立ちふさがりとじこめる。とり囲む。また、霧、煙などが満ち、つつみ込む。
蜻蛉(974頃)下「霞にたちこめられて、筆のたちどんしられねば」

たち‐こみ【立込・立籠】

〘名〙
① (「たち」は接頭語) こみあうこと。混雑。たてこみ。
② 釣りで、水中にはいって魚を釣ること。
滑稽本・岡釣話(1819)「立込(タチコミ)釣に転節(こむらがへり)を知らず」

たち‐こ・む【立込・立籠】

[1] 〘自マ四〙 (「たち」は接頭語) 人または馬、車などが多くはいり込む。混雑する。たてこむ。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「けだものは、やうかいをふせたらんやうに、おなじうへにたちこみたるに、わけ入て」
[2] 〘自他マ下二〙 ⇒たちこめる(立込)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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