立塞(読み)たちふさがる

精選版 日本国語大辞典 「立塞」の意味・読み・例文・類語

たち‐ふさが・る【立塞】

〘自ラ五(四)〙 前に立って行く手をさえぎるようにする。前途に対する障害として現われる。たちふたがる。
今昔(1120頃か)二三「崩(くづれ)に侍共の立(たち)塞がりて密気(きびしげ)に尋問ひ候つれば」
※月は東に(1970‐71)〈安岡章太郎〉一「いつかは必ずそれが眼の前に大きく立ちふさがることになる」

たち‐さ・う ‥さふ【立塞】

〘他ハ下二〙 立ってさえぎりとどめる。立ちふさぐ。
土左(935頃)承平五年一月八日「波たちさへて入れずもあらなんともよみてましや」
[補注]「万葉‐三三三五」の「とゐ波の 塞(ささ)ふる道を」の「塞ふる道」(原文「塞道」)を「立塞道」とする写本により「たちさふみち」と訓み、四段にも活用したとする説もある。

たち‐ふさ・ぐ【立塞】

〘他ガ五(四)〙 向かってくる者の前に立ってさえぎる。防御する。たちふさげる。たてふさぐ。
太平記(14C後)一七「小路々々を立塞(フサイ)で、敵を東西より取籠

たち‐ふたが・る【立塞】

※讚岐入道集(1103)「夕霧のたちふたかれる頃なればはるるをぞ待つ秋のよの月」

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