突支(読み)つっかう

精選版 日本国語大辞典 「突支」の意味・読み・例文・類語

つっ‐か・う ‥かふ【突支】

〘他ハ四〙
① 物にあててささえ保つ。つっかえる。すけがう。
随筆・南畝莠言(1817)上「僧義堂日工集に牮明楼とあり。今俗語につっかふといふは是れにて、すけがふの音の転じたるなり」
価値などが、ある物事とほぼ等しくなる。相当する。
落語西京土産(1892)〈三代目三遊亭円遊〉「其代り陰気な時は御招き下さると、御饒舌(おしゃべり)を為て御陽気に御為(おさ)せ申して、円遊行(ひとりいき)やア五人位と平等(ツッカイ)ます様な誠に徳用な人間御坐いますから」

つっ‐か・える ‥かへる【突支】

〘他ア下一(ハ下一)〙 傍から物にあてて、その状態のままささえ保つ。そばから補助する。
※あらくれ(1915)〈徳田秋声〉一二「夜自分の部屋の襖に心張棒を突支(ツッカ)へておいたりしなければならなかった」

つっ‐ささ・う ‥ささふ【突支】

〘他ハ下二〙 (「つきささう」の変化した語) ものをあてがって強く支える。つきささえる。
※車屋本謡曲・橋弁慶(1550頃)「太刀抜きはなって、つっささへたる長刀切先に、太刀打ちあはせ」

つっ‐かい ‥かひ【突支】

〘名〙 つっかえにするもの。つっかえ。つっかい棒。支柱
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「柱には幾つともなく丸太の支柱(ツッカヒ)がしてある」

つっ‐かえ ‥かへ【突支】

※大淵代抄(1630頃)二「支うると云は物の倒るる処でつっかへをした心だ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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