空名（読み）クウメイ

デジタル大辞泉

くう‐めい【空名】

実際の価値にそぐわない名だけのもの。虚名。
「美とは―のみ、愛とは動物の発作のみ」〈独歩・悪魔〉

そら‐な【空名】

身に覚えのないうわさ。あだな。
「―ヲタテル」〈和英語林集成〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

くう‐めい【空名】

〘名〙 名だけで実質の伴わないこと。実際の価値に反した高い名声。虚名。

※続日本紀‐天平宝字三年（759）六月丙辰「僧尼〈略〉今或曾不_レ入_レ寺。計_二官供於七日_一。或貪_二規兼得_一。着_二空名於両処_一」

※悪魔（1903）〈国木田独歩〉八「美とは空名(クウメイ)のみ、愛とは動物の発作のみ、空より生じて空に消ゆべきのみ」 〔史記‐秦始皇本紀〕

そら‐な【空名】

〘名〙 身におぼえのないうわさ。無実の評判。あだな。うきな。

※歌仙本朝忠集（966頃）「中将にて、そら名立つ頃、中納言と云ふ人のあだ名立つに」

むなしき【空】 名(な)

かいのない名声。いたずらな評判。虚名。

※宇津保（970‐999頃）内侍督「木の葉をも宿にふるきぬ秋風のむなしき名をも空に立つかな」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【空名】くうめい

虚名。

字通「空」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」