穴水城跡(読み)あなみずじようあと

日本歴史地名大系 「穴水城跡」の解説

穴水城跡
あなみずじようあと

[現在地名]穴水町川島

能登の有力国人長氏嫡家の居城とされる。同氏の始祖である大屋おおや(現輪島市)地頭長谷部(長)信連が築いたと伝えられるが(長家譜)、天正六年(一五七八)九月二二日の柴田勝家書状(長文書)に穴水城とみえる。同四年一一月、能登に侵攻した上杉謙信勢は城主長続連・綱連父子が七尾城に出向いた隙を衝いて当城を陥落させ、上杉氏家臣の長沢光国・白小田善兵衛を守将としたという(長家譜)。以後、穴水城付近のおとさき新崎にんざきなどで、上杉勢と長勢の攻防戦が展開されたが、同五年九月七尾城内で長一族が滅亡(「上杉謙信書状写」歴代古案)。のち織田信長の支援を得た孝恩寺宗(続連の三男)が還俗して長好連(のち連竜と改名)と称し、同六年八月上杉方の拠る穴水城を奪回したが、その後も戦闘が続き、同年九月二一日には穴水籠城を続ける好連に、織田方の柴田勝家が来春援軍に赴くまで耐えるよう報じている(前掲柴田勝家書状など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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