鹿島(読み)カシマ

デジタル大辞泉 「鹿島」の意味・読み・例文・類語

かしま【鹿島】

佐賀県南部の市。有明海に臨む。ノリ養殖やミカン栽培が盛ん。もと鍋島氏支藩の城下町祐徳稲荷ゆうとくいなり神社鳥居前町。人口3.1万(2010)。
茨城県鹿嶋市の地名。→鹿嶋かしま

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日本歴史地名大系 「鹿島」の解説

鹿島
かしま

大聖寺だいしようじ川河口にあり、同川と福井県北潟きたがた湖を区切る陸繋島で、東側で加賀市吉崎よしざき町と結ばれている。北潟湖を隔てて対岸は福井県金津かなづ吉崎よしさき。加島とも書く。古く大聖寺川河口は東の永井ながい町付近まで海が入込んでたけの浦とよばれていた。しかし川砂の堆積や開発による埋立で陸地化し、延享―明和(一七四四―七二)頃には吉崎から鹿島に通ずる鹿島新道が完成した(天保八年「江沼郡変地帳仕立」加賀市史料)

「反古裏書」に蓮如の四男蓮誓が越中土山どやま(現富山県福光町)の坊(勝興寺)に招かれる以前「加州加島」にいたとある。

鹿島
かしま

[現在地名]佐賀町佐賀

佐賀浦に浮ぶ小島で、全島古木が繁茂し美観を呈する。太古は佐賀浦東端のしろはなから地続きであったという。島の頂には鹿島神社が鎮座し、武甕槌命を祀る。常陸の鹿島神宮から勧請したといい、佐賀浦漁民の崇敬あつく、旧暦三月三日の祭礼はよく知られている。安永七年(一七七八)の「西浦廻見日記」に「浦の向ふに加島といふ小島あり、此島に熊野三所の社有、棟札に尾州小池四郎右衛門と有、むかし此者こゝに来りて鯨を突けるよし、其時に熊野を勧請せしとミゆ、其時は突鯨にて網かけたるよし、其跡をこゝの郷士坂本常七か先祖願ひて突遣ると云」とあり、神社を熊野としている。

鹿島
かしま

[現在地名]南部町埴田

埴田はねたの海岸より西方約一キロの海上に浮ぶ周囲四キロ余の小島。現在埴田に鎮座する鹿島神社の旧社地で、神聖視されてきたため亜熱帯植物群が繁茂する。大宝元年(七〇一)一〇月文武天皇らが紀伊国に行幸した時の歌に「鹿島」の名がみえ、海人の釣するのをみたことが詠われる(「万葉集」巻九)

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改訂新版 世界大百科事典 「鹿島」の意味・わかりやすい解説

鹿島[市] (かしま)

佐賀県南西部,有明海に面する市。1954年鹿島町,浜町,鹿島村,能古見村,古枝村が合体,人口3万0720(2010)。市域は,南方の長崎県境にある多良岳山系から北東の有明海に向けて放射状に流出する小河川の流域,塩田川,鹿島川の下流低地や干拓地に広がる。江戸時代は,佐賀藩の支藩鹿島藩鍋島氏2万石の本拠地であった。その城は,1807年(文化4)鹿島川北側の常広の低地から塩田川の水害を避けて,鹿島川南側の高津原(たかつばる)の低丘陵末端旭ヶ岡(城内)に移され,今日の中心市街地形成の端緒を開いた。海岸を走る長崎本線背後の山麓地帯にはミカン園が広がり,前面の有明海ではノリ養殖が行われる。製薬・製陶などの各種企業も立地する。平安末期の開創と伝えられる蓮厳(れんごん)院,農・商工・漁業神として広く信仰を集める祐徳稲荷神社があり,音成では面浮立(めんぶりゆう)(県無形民俗文化財)が行われる。浜町のえびす祭と鮒市,有明海の沖ノ島参り,郷土民芸の能古見人形なども知られる。ムツゴロウなど生息する有明海辺には干潟公園などがある。
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鹿島(鹿児島) (かしま)

鹿島(福島) (かしま)

鹿島(石川) (かしま)

鹿島(島根) (かしま)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鹿島」の意味・わかりやすい解説

鹿島
かしま

島根県北東部,松江市北西部の旧町域。島根半島中央部にあり,日本海に臨む。1956年恵曇町と御津村,講武村,佐太村の 3村が合体して成立。2005年松江市,島根町,美保関町,八雲村,玉湯町,宍道町,八束町の 7市町村と合体して松江市となった。恵曇,御津は県下有数の漁港で水産業の中心地。缶詰,かまぼこなどの水産加工業が盛ん。講武は茶の産地で製茶工場もある。佐太には旧暦 10月の神在月に全国の神々の宿泊所となる佐太神社があり,数多くの国指定重要文化財を社宝にもつ。同神社で行なわれる佐陀神能は国の重要無形民俗文化財で,2011年世界無形遺産に登録された。国指定史跡の佐太・講武貝塚は有名。海岸には中国電力の島根原子力発電所がある。一部は大山隠岐国立公園に属する。

鹿島
かしま

石川県,能登半島基部の宝達丘陵 (石動山系) と邑知潟平野中央部にかけてある中能登町東南部の旧町域。 1955年越路 (こしじ) 町と滝尾村,久江村,御祖村の3村が合体して鹿島町が発足。町名は鹿島郡の中心であることに由来。 2005年鳥屋町,鹿西町と合体して中能登町となった。中心地区の井田は,公共施設が集中している。平野部では米作が行なわれるほか,畑作も盛ん。古くから機業が盛んで,合繊織物工業が発達。南西部,富山県境の碁石ヶ峰から石動山にいたる丘陵一帯は碁石ヶ峰県立自然公園に指定。石動山天平寺跡は史跡。能登半島国定公園に属する。

鹿島
かしま

鹿児島県北西部,薩摩川内市西部の旧村域。下甑島北端に位置する。 1949年下甑村から分離して成立。 2004年川内市,樋脇町,入来町,東郷町,祁答院町,村,上甑村,下甑村と合体して薩摩川内市となった。主産業は漁業で,定置網や一本釣りが行なわれ,鹿児島漁港を基地としてアジ,タイ,エビなどの水揚げがある。特産にカノコユリがある。甑島県立自然公園に属する。

鹿島
かしま

福島県北東部,南相馬市北部の旧町域。太平洋に面する。 1898年町制。 1954年八沢村,真野村,上真野村の3村と合体。 2006年原町市,小高町と合体して南相馬市となった。かつては陸前浜街道の宿駅として発達。干拓された八沢浦では,明治まで製塩が行なわれた。真野川の沖積地は相馬米の産地として有名。海老浜にはバラ科のマルバシャリンバイ (丸葉車輪梅) が生育。夏には海水浴客でにぎわう。真野古墳群は国の史跡に指定されている。

鹿島
かしま

(1) 初代 旧日本海軍の戦艦。 1906年イギリスで竣工。基準排水量1万 6000t,速力 18.5kn,主砲 12インチ (30cm) 砲4。ワシントン会議の結果廃棄。 (2) 2代 旧日本海軍の練習巡洋艦。 40年竣工。基準排水量 5890t,速力 18kn,主砲 14cm砲4。復員輸送に従事,のち解体。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「鹿島」の解説

鹿島

正式社名「鹿島建設株式会社」。略称「鹿島」。英文社名「KAJIMA CORPORATION」。建設業。天保11年(1840)前身の「大岩」創業。昭和5年(1930)「株式会社鹿島組」設立。同22年(1947)現在の社名に変更。本社は東京都港区元赤坂。ゼネコン大手。超高層ビル・原子力発電所など最先端分野に実績。東京証券取引所第1部・名古屋証券取引所第1部上場。証券コード1812。

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デジタル大辞泉プラス 「鹿島」の解説

鹿島〔広島県〕

広島県呉市、瀬戸内海の倉橋島南方に位置し、鹿島(かしま)大橋で同島と結ばれる島。同県最南端の有人島で、面積約2.64平方キロメートル。島南部にある石垣の段々畑は江戸時代末期から築かれたもので、「だんだんばたけのピラミッド」として第6回美しい日本のむら景観コンテストにて農林水産大臣賞を受賞している。

鹿島〔戦艦〕

日本海軍の戦艦。香取型戦艦の2番艦。準弩級戦艦。イギリスで建造され、1906年5月に竣工、同年8月に横須賀に到着。1921年の皇太子(のちの昭和天皇)の欧州訪問時には、遣欧艦隊旗艦をつとめた。ワシントン海軍軍縮条約により廃艦が決まり、1924年に解体された。

鹿島〔長崎県〕

長崎県諫早市多良見町舟津、黒崎鼻の沖にある島。大村湾に浮かぶ長崎空港の南、約3.5キロメートルに位置する。面積約0.16平方キロメートル。傾斜面を利用した小規模なミカン栽培が行われている。

鹿島〔高知県〕

高知県幡多郡黒潮町、鹿島ケ浦の入り口付近に浮かぶ無人島。佐賀港鹿島灯台がある。タブノキ、スジダイといった照葉樹林が見られ、県の自然環境保護地域に指定されている。

鹿島〔山口県〕

山口県阿武郡阿武町、鹿島湾に浮かぶ2つの無人島、男鹿島(おがしま)、女鹿島(めがしま)の総称。「夫婦島」とも呼ばれる。

鹿島〔和歌山県〕

和歌山県日高郡みなべ町、南部(みなべ)湾口に位置する無人島。鹿島神社の神域となっている。

鹿島〔道の駅〕

佐賀県鹿島市にある道の駅。国道207号に沿う。

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世界大百科事典(旧版)内の鹿島の言及

【甑島列島】より

…また7月中旬から8月上旬までの開花期は見事な景観を示す。 行政上,列島は北から薩摩郡里村,上甑村,鹿島村,下甑村の4ヵ村(総人口7926,1995年)に分かれるが,その地域区分は必ずしも島の区分と一致しない。里村は上甑島の東部を占め,上甑島の中央および西部と中甑島が上甑村であり,下甑島の大部分が下甑村であるが,その北部が鹿島村をつくる。…

※「鹿島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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