秋津野(読み)あきつの

日本歴史地名大系 「秋津野」の解説

秋津野
あきつの

「古事記」「日本書紀」「万葉集」にみえる地名。秋津小野あきつのおのともいい、蜻蛉小野とも書く。歌枕。所在地は大字西河にしがわ蜻蛉せいれいの滝付近説、下市町の秋野あきの川流域説、吉野町大字宮滝みやたき付近説等諸説あるが、現在秋津野という地名は残っていない。「古事記」の雄略天皇の段に秋津野の地名起源説話として次のようにみえる。

<資料は省略されています>

「日本書紀」の雄略天皇三年八月条にも同じ記事があり、「河上の小野に幸す」という。「大和志」には「蜻蛉野在川上荘西河村名区也」と記す。

「万葉集」巻一の柿本人麻呂作歌に「山川の清き河内と 御心を 吉野の国の 花散らふ秋津の野辺に 宮柱 太敷きませば」と詠まれ、山部赤人作歌に「やすみしし わご大君は み吉野の 蜻蛉の小野の 野の上には 跡見とみすゑ置きて み山には 射目立て渡し」と詠まれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android