神田祭(歌舞伎舞踊)(読み)かんだまつり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神田祭(歌舞伎舞踊)」の意味・わかりやすい解説

神田祭(歌舞伎舞踊)
かんだまつり

歌舞伎(かぶき)舞踊清元。本名題(ほんなだい)『〆能色相図(しめろやれいろのかけごえ)』。三升屋二三治(みますやにそうじ)作詞・2世清元斎兵衛作曲。1839年(天保10)9月、江戸・河原崎(かわらさき)座で市川海老蔵(えびぞう)(前名7世団十郎)、沢村訥升(とっしょう)(5世宗十郎)らにより初演。江戸の三大祭の一つとされる神田祭の情景を描いたもので、上下2段のうち下の巻だけが後世に残った。鳶頭(とびがしら)と芸者の手古舞(てこまい)の踊りで、華やかな手踊りから、芸者のクドキ、鳶頭の投節(なげぶし)などがあって、木遣(きやり)で終わる。振りは流派によって差があるが、江戸の祭りらしい粋(いき)な感覚が興味の中心。なお別に、1911年(明治44)演奏会で発表された幸堂得知(こうどうとくち)作詞、3世杵屋(きねや)六四郎・4世吉住小三郎作曲の長唄(ながうた)『神田祭』がある。

[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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