神南庄(読み)こうなんのしよう

日本歴史地名大系 「神南庄」の解説

神南庄
こうなんのしよう

興福寺一乗院領荘園であり、法輪ほうりん寺が預所である。これは同寺が一乗院の末寺となった関係によるもので、もと法輪寺の私領であったものであろう。「大乗院雑事記」文明七年(一四七五)七月二二日条に、

<資料は省略されています>

とある。もっとも一乗院良円が鎌倉初期に売却したため、大乗院別相伝領になったという。明確でないが、本家一乗院、領家大乗院、預所法輪寺であろう。買得以後の大乗院の収取も明らかでないが、「大乗院雑事記」文明一二年四月六日の条に「神南院御油五升(中略)此御油下地者平群郡神南田下地也、自一乗院家当門跡買得之地也」、同二二日条に「四月分御油五升」とある点からみると、同院収取は月に五升の灯油であったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報