社八社(読み)やしろはつしや

日本歴史地名大系 「社八社」の解説

社八社
やしろはつしや

[現在地名]湯原町社

「延喜式」神名帳に記載される美作国一一座のうち八座(七社)大庭おおば郡であるが、この大庭郡八座「佐波良サハラノ神社」「壱粟イチアハノ神社二座」「久刀クトノ神社」「長田ナカタノ神社」「形部カタヘノ神社」「横見ヨコミノ神社」「ウサカミ神社」はそれぞれ佐波良さわら神社・壱粟いちあわ神社・久刀くと神社・長田ながた神社・形部かたべ(刑部)神社・横見よこみ神社・菟上うなかみ神社の七社に比定され、いずれも現在の大字社に集中、社八社と総称される。当地は古代布勢ふせ(和名抄)、中世布施ふせ庄に含まれていたと考えられ、かつては布施神社、布施八社とも称されていた(作陽誌)。「三代実録」貞観六年(八六四)八月一五日条によれば、美作国の従五位下の長田神・兎上神・前社神・佐原神・形部神・壱粟神・横見神・久止神らが従五位上に昇叙されているが、前社神を壱粟神社二座のうちの一神とする説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android