アルゼンチンの作家コルタサルの長編小説。1963年刊。小説家を志してパリにきたアルゼンチン人オラシオ・オリベイラを主人公に、ある事件がもとで失踪(しっそう)する恋人のラ・マーガ、帰国したオリベイラを出迎える友人で主人公の分身でもあるトラベラーとその妻のタリータ、これらの人物を中心にデラシネ(根なし草)的現代人の魂の彷徨(ほうこう)と愛の探究の物語が展開する。作者は実験的手法を思うさま駆使しているが、内容と手法が巧みに結合して、現代ラテンアメリカ小説の代表作と評価されている。
[木村榮一]
『土岐恒二訳『ラテンアメリカの文学 8 石蹴り遊び』(1983・集英社)』
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