真岡(市)(読み)もおか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「真岡(市)」の意味・わかりやすい解説

真岡(市)
もおか

栃木県南部にある市。1954年(昭和29)真岡町と大内、山前(やまざき)、中(なか)の3村が合併して市制施行。2009年(平成21)芳賀(はが)郡二宮町(にのみやまち)を編入。国道121号、294号、408号が走り、北関東自動車道の真岡インターチェンジがある。鉄道は第三セクターによる真岡鉄道(1988年4月開業)が通じ、市内には真岡駅はじめ6駅がある。市域西部の鬼怒(きぬ)川東岸低地から真岡台地、五行(ごぎょう)川、小貝(こかい)川沿岸低地を経て八溝(やみぞ)山地にかかる。近世には江戸幕府直轄地の真岡代官所の所在地、地方物資の集散地として発展し、とくに明治時代まで真岡木綿の取引所として有名であった。農業は米作畜産を中心に、イチゴナス、トマト、ラッカセイメロンなどの園芸作物も多い。首都圏の都市開発地域に指定され、1965年からは西部の台地に複数の大きな工業団地が造成された。隣接する上三川(かみのかわ)町の自動車工業関連企業を中心に、高度成長期と重なって有力企業の機械、化学、金属など約60社が進出して急速な工業化が行われた。真岡駅西部には、これらの進出企業の住宅団地が造成された。駅周辺の区画整理事業により、大型店が進出して飲食店街も形成され、県南東部の商業中心地となりつつある。市域南部、旧二宮町地区に桜町陣屋跡(国指定史跡)がある。二宮尊徳が20年以上居住、尊徳仕法普及の中心地となった。面積167.34平方キロメートル、人口7万8190(2020)。

[村上雅康]

『『真岡の歴史』(1978・真岡市)』『『真岡市史』全8巻(1984~1988・真岡市)』


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