看護系大学(読み)かんごけいだいがく

大学事典 「看護系大学」の解説

看護系大学
かんごけいだいがく

看護系大学とは,保健師・助産師・看護師の国家試験受験資格を取得させ得る4年制大学および省庁大学校をいう(日本看護系大学協議会定款7条)。看護学教育を実施する学部・学科の名称は,看護学部看護学科や医学部保健学科など多様である。看護系大学では社会の医療・看護ニーズに対応できる質の高い保健師・助産師・看護師と,看護学の研究者・教育者の確実かつ効果的な養成を目標としている。世界における大学レベルでの看護学教育の場は,1892年アメリカ合衆国ニューヨーク市のコロンビア大学(アメリカ)に設立された看護学部が最初とされる。日本では1952年(昭和27),高知女子大学(現,高知県立大学)家政学部に看護学科が設立されたことに始まる。看護系大学は1991(平成3)年度で11校であったが,92年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の施行等により,90年代後半から急激に増加した。2017年4月現在,日本看護系大学協議会の会員校は265校で,内訳は国立42校,省庁大学校2校,公立48校,私立173校。看護学教育における課題としては,看護学教育の質の保証,研究教育者養成の充実,医療提供体制に対応した学士教育課程の策定および実施等が挙げられている。
著者: 樋野恵子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報