百谷村
ももだにむら
[現在地名]鳥取市百谷
滝山村の北東、法美郡北西端の山中にある。百谷川（天神川）水源の谷の詰りに集落を形成する。文政年間（一八一八―三〇）の法美郡全図（県立図書館蔵）ではクマカ谷・小熊谷・ヤノ谷・坂ノ谷など多数の谷があり、これが村名の由来となったものか。永禄六年（一五六三）四月一一日の山名豊数宛行状（中村文書）に「邑美郡ノ内百谷分」とみえ、一八石が中村鍋法師丸に宛行われた。翌七年正月一〇日の同人宛山名豊数安堵状（同文書）でこの地が安堵されている。藩政期の拝領高七五石余、本免五ツ一分。藪役銀一匁八分・宇倍野山役米二斗余を課されていた（藩史）。文政八年の宗門改帳（田中家文書）では浄土宗鳥取一行寺旦那一五三人、黄檗宗鳥取興禅寺塔頭祥林寺四人・天沢院七人。安政五年（一八五八）の村々生高竈数取調帳では生高一三〇石余、竈数三八。文久二年（一八六二）の員数等取調書上帳（井上家文書）では一四―六〇歳までの男五四人。
百谷村
ももたにむら
[現在地名]福山市加茂町百谷
加茂谷から神石郡に至る九十九折の谷に沿う地域で、地名はこうした地形より出たものであろう。神石郡境の姫谷ほか高山・谷の三集落よりなる。村域のほとんどは山林で谷沿いにわずかな耕地をもつ。百谷一ノ井手に三基の古墳があり、すでに破壊されたものもあって古墳群の存在を推測させる。二基の発掘調査が行われているが、いずれも横穴式石室で、すでに盗掘されており、副葬品はわずかに須恵器・鉄鏃・刀子・小玉などが出土した。戦国時代には山陰から南下してきた尼子勢が神石郡境の多賀山に陣したが、迎え討った備後勢は毛利の加勢を得て尼子方を敗走させたと伝える（西備名区）。
江戸時代初期には北山村に含まれていたと思われ、元和五年（一六一九）の備後国知行帳や「寛文朱印留」には村名がみえず、元禄一三年（一七〇〇）の検地で独立村として高二九〇石余となる。
百谷村
ももだにむら
[現在地名]鏡野町百谷
香々美川右岸に位置し、香々美川が大きく屈折する地点に井村川と百谷川が合流して水田が開ける。百谷川の支流の寺ヶ谷川は谷が深く、流域に耕地が開ける畑がちの山村。東は真経村、北は大町村、南は年信村・貞永寺村、西は養野村（現奥津町）に接する。とくに西側は越畑村にかけて中国山地の泉山山塊によって遮られている。香々美中村から奥津村（現奥津町）に通じる伯耆往来は、百谷村の井村川沿いに登り、泉山山塊の鞍部の百乢を越えて養野村に至る。「作陽誌」によれば、百谷峠（百乢）に一里塚がある。正保郷帳に高二二五石余、うち田方八二石余・畑方一四二石余とある。
百谷村
ももだにむら
[現在地名]西吉野村大字百谷
赤松村の東方渓谷に立地。古田郷のうち。慶長郷帳では村高二六五・二一一石、幕府領（代官楢村監物）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
