産・生・初(読み)うぶ

精選版 日本国語大辞典 「産・生・初」の意味・読み・例文・類語

うぶ【産・生・初】

[1] 〘語素〙 名詞の上に付いて、出産に関する語を作り、「生まれるとき」「生まれた子どもの」などの意を添える。「うぶ祝」「うぶ衣(ぎぬ)」「うぶ毛」「うぶ声」「うぶ屋」「うぶ養い」など。
[2] 〘名〙 (形動)
① 生まれたとき。また、生まれたときのままであるさま。生まれつき。生来
※類従本兼澄集(1012頃)「撫できけむうぶの黒髪やぶりして変はれる筋は心細しや」
② (初・初心) 性情のすなおなさま。また、世間物事を十分に知っていないさま。世馴れぬさま。初心(しょしん)
※滑稽本・指面草(1786)中「此茶碗は見所のある道具〈略〉うぶに魚屋(ととや)ならんと思へども、不躾ながら魚屋なれば高金にて、たやすく手に入兼る道具」
破戒(1906)〈島崎藤村〉二一「未だ初心(ウブ)複雑(こみい)った社会(よのなか)のことは一向解らない」
③ (初・初心) とくに、男女の情に通じていないさま。初心(しょしん)
※歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)五幕「沓脱(くつぬき)にあるおたけが下駄、〈略〉うぶと見せても桐台は仕上げ直しの東下駄、しかも鼻緒はまがひ天鵞絨(びろうど)
④ 自然のままで、人手が加わっていないこと。また、できあがったときのままで、傷やよごれのないさま。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉古物家「絵の出来が無類で、品がウブで、胡粉一つ剥げてないなんてものは」
骨董品古本などで、今まで市場や店に出されていないこと。また、その品。
※歌舞伎・船打込橋間白浪(鋳掛松)(1866)二幕「いやこれは与市さん、何ぞうぶなものでもありますかね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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