瑞相寺(読み)ずいそうじ

日本歴史地名大系 「瑞相寺」の解説

瑞相寺
ずいそうじ

[現在地名]岩国市岩国一丁目

錦見にしみ寺町の中ほどにある。当寺の名にちなみ通りを瑞相寺小路と称した。巌縁山と号し、浄土宗本尊阿弥陀如来。

玖珂郡志」はその由緒を「当寺開基ハ、慶長年中御打入之節、町割相整、柳井町人数々被召出、住居被仰付候処、檀那寺依之、柳井瑞相寺ヲ岩国ヘ引越度由、白銀しろかね宗円・久保くぼ与左衛門・油屋又右衛門等相談相極候得共、柳井ニ残リ居候者共承引不仕候故、本尊脇立ノ二菩薩計リ引取リ、新ニ建立シテ号瑞相寺、本尊脇立トモニ恵心作、按ニ恵心作備前千体ト云」と記す。

瑞相寺
ずいそうじ

[現在地名]柳井市大字柳井津 土手

浄土宗。放光山と号し、本尊阿弥陀如来。

「玖珂郡志」によれば、永正元年(一五〇四)法誉祐西が宇治平等びようどう(現京都府宇治市)より西下し、柳井川の河口に寺を開いたのに始まる。その後、慶長年中(一五九六―一六一五)吉川氏が城下町を建設するにあたり、柳井津やないづから商家の一部が城下錦見にしみ(現岩国市)に移住したが、瑞相寺もともに移転した。しかし当地の檀家は承服せず、本尊・脇立の二菩薩を引き取り、新たに瑞相寺を建立した。両瑞相寺では本末について論争が生じたが、吉川広正は本山さえ異議がなければと、知恩ちおん(現京都市東山区)へその趣旨を伝え、両寺とも直末となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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