理致（読み）りち

精選版 日本国語大辞典

り‐ち【理致】

〘名〙

① 道にかなった趣旨。すじみち。道理。

※権記‐長保二年（1000）正月二〇日「抑々留_レ之旨、雖_レ有_二理致_一、至_三于有_二指仰_一、何因抑留哉」

※太平記（１４Ｃ後）一八「内外の理致(リチ)明かに言を尽して申されたりければ」 〔晉書‐王祥伝〕

② 師家が修行者を導く方法として示す仏や祖師のことば。

※正法眼蔵（1231‐53）空華「この理致を執するによりて、三界・六道・有仏・無仏、みなあらざるを、ありと妄見する」

③ 聖一国師（弁円）や大応国師（南浦紹明）が分類した公案の一種。根本的な理、すなわち心の本性を示した公案。

※大応国師法語（1308頃）「理致と云ふは諸仏の所説、並に祖師の所示の心性等の理語なり」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【理致】りち

道理にかなう。〔晋書、王祥伝〕族孫戎、じて曰く、～、正始に在りて、能言のに在らざるも、之れと言ふにびては、理致なり。將(は)たを以て其の言を掩(おほ)ふに非ざるか。

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出典　平凡社「普及版 字通」