晋書
しんじょ
Jin-shu; Chin-shu
中国,唐の太宗の詔によって房玄齢らが撰した晋代の正史。 130巻。貞観 18 (644) 年成立。帝紀 10巻,志 20巻,列伝 70巻のほかに載記 30巻がある。載記という部門が正史に現れるのはこれが初めてであるが,五胡十六国のことについて記したもので,晋時代の理解を助けるのに役立っている。この書は主として臧栄緒の『晋書』により,その他の晋史をも参考として,多くの史官によって書かれた。必ずしもよいできばえとはいえないが,現存する唯一の晋代史として貴重である。この書の注釈として『晋書かく注』 (130巻) などがある。
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デジタル大辞泉
「晋書」の意味・読み・例文・類語
しんじょ【晋書】
中国の二十四史の一。唐の太宗の命により房玄齢・李延寿らが撰。646年成立。晋の歴史を記したもので、帝紀10、志20、列伝70、載記30の全130巻。
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しんじょ【晋書 Jìn shū】
中国,晋王朝一代の歴史をあつかう正史。本紀10巻,志20巻,列伝70巻のほか,五胡十六国の歴史である載記30巻を含む。唐の[太宗]の648年,それまでに存在した18種の晋代史を参考にしつつ完成された勅撰の書。宣帝紀,武帝紀,陸機伝,王羲之伝の史論は太宗がみずから執筆した。従来の正史が個人の著述であったのと異なって勅撰であり,またはじめて多人数による分纂の方法が用いられたために批判が集まる。【吉川 忠夫】
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