玄奘寺(読み)げんじょうじ

世界の観光地名がわかる事典 「玄奘寺」の解説

げんじょうじ【玄奘寺】

台湾島西南部の台南(臺南、タイナン)市郊外、台湾有数の景勝地・日月潭(にちげつたん、じつげつたん、リーユエタン)にある仏教寺院。「西遊記」でも知られる玄奘三蔵法師の霊骨を祀る寺。建立は1965年。玄奘は、皇帝の命令で十数年の歳月をかけてインドへ赴き、650部の経典を持ち帰った、唐の時代の高僧。玄奘の霊骨はもともと中国の南京の寺院にあったが、日中戦争時代に日本人により埼玉県の慈恩寺に移された。戦後の1955年に台湾に返還され、日月潭の突き出た岬に建つ玄光寺に納められたが、玄奘寺完成後、この寺に安置されることになった。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の玄奘寺の言及

【日月潭】より

…このため,風景の美,付近に住む高山族の杵歌(きねうた)などと相まって観光地,保養地になっている。湖畔には寺廟が多く建てられているが,その一つ玄奘寺には,かつて日中戦争中に日本が南京の天禧寺からもちかえった玄奘の遺骨の一部分が,戦後返還され安置されている。湖の西方には門牌潭の発電所がある。…

※「玄奘寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」