普及版 字通 「狄(漢字)」の読み・字形・画数・意味
狄
7画
[字訓] とおい・えびす
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
犬+火。犬は犬牲。火を加えて災禍を祓う呪儀を示すものであろう。拔(抜)・祓もまた犬に従う。遠くへ祓うので逖遠の意となる。〔説文〕十上に「赤狄なり。本(もと)犬種なり。狄の言爲(た)る、辟なり。犬に從ひ、亦の省聲なり」とするが、金文の字は火に従う。金文に「不恭を狄(ひつてき)す」「淮夷を克狄(こくてき)す」などの語があり、逖遠の地に退けることをいう。狄に狄遠の意があるとすべきである。
[訓義]
1. とおい、とおざける、はるか。
2. えびす、北方の族。
[古辞書の訓]
〔立〕狄 エビス
[声系]
〔説文〕に狄声として逖を収め、その古文の字をに作る。金文には、狄をそのまま逖遠の字に用いる。
[語系]
狄・逖・thyek、・thek、また超thi、迢dyは声義近く、みな遠くはるかな意がある。遙(遥)jiもこの系統の語。狄はまたdykに仮借して用いることがある。
[熟語]
狄国▶・狄人▶・狄成▶・狄▶・狄狄▶・狄俘▶・狄酪▶・狄隷▶
[下接語]
夷狄・狄・闕狄・胡狄・戎狄・赤狄・北狄・揄狄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報