犬飼町(読み)いぬかいまち

日本歴史地名大系 「犬飼町」の解説

犬飼町
いぬかいまち

[現在地名]犬飼町犬飼

大野川あかね川合流点北方の西岸にある。南は茜川を隔て田原たわら村。同川に沿って南西へ犬飼道が通る。北の下津尾しもつお村内に建てられた町場で、郷帳類では同村に含まれる。明暦二年(一六五六)岡藩は新たに大野川通船の基地として犬飼町を立て、田原町つるから当所に船着場を移した(地方温故集)。同三年の定(中川家文書)には「犬飼の御蔵に払ひ申すべく候」とある。ただし御蔵所の建設は寛文二年(一六六二)という(地方温故集)。なお犬飼町の名は万治三年(一六六〇)一〇月の熊沢蕃山来藩時に命名されたという伝説があるが、それ以前から犬飼とよばれていたことがわかる。犬飼湊は岡藩領内の産物・物資を大野川河口三佐みさ(現大分市)に運輸する中継地となり、また同湊と竹田城下を結ぶ新しい参勤交代(犬飼道)も開かれた。寛文二年には御茶屋の普請が行われ、御蔵普請と合せ人夫二万九千八七四人が動員された(同書)

犬飼町
いぬかいまち

面積:四六・七四平方キロ

郡の北部にあり、北は天面あまつら山南方の山岳を境に大分市、南は千歳ちとせ村・三重みえ町、東は野津のつ町、西は大野町に接する。東部を大野川が蛇行しながら北流し、南東端近くで三重川、その北方で西流してきた野津川を合流。さらに町域南部を東流してきたあかね川・柴北しばきた川の二川が合流する。北部では宇津尾木うつおぎ川と稲積いなづみ川が大野川に注ぐ。ほぼ同川に沿って南北にJR豊肥本線が走り、犬飼駅がある。同駅付近は北から南東へ走る国道一〇号、南西へ向かう同五七号、南に下る同三二六号の分岐点で、郡内で最も交通量の多い地域となっている。町域は東部の戸上とのうえ地区、中部の犬飼地区、西部の長谷ながたに地区に分けられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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