物思(読み)ものおもわしい

精選版 日本国語大辞典 「物思」の意味・読み・例文・類語

もの‐おもわし・い ‥おもはしい【物思】

〘形口〙 ものおもはし 〘形シク〙
① もの思いをする様子である。何かと気がかりでふさぎこんだ状態である。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「かかる御仲にさぶらへど、ものおもはしうわびしうなむ」
② 趣が深い。
随筆独寝(1724頃)下「ゆかしく思ふ折ふし嬉しきたより聞時は、鐘の響も物思はし」
ものおもわし‐げ
〘形動〙
ものおもわし‐さ
〘名〙

もの‐おもい ‥おもひ【物思】

〘名〙 物事を思うこと。思いにふけること。また、思い煩うこと。心配うれい。悩み。
古今(905‐914)春上・五二「としふればよはひはおいぬしかはあれど花をしみれば物思もなし〈藤原良房〉」

もの‐もい ‥もひ【物思】

〘名〙 「ものおもい(物思)」の変化した語。
万葉(8C後)二〇・四四二五「防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ毛乃母比(モノモヒ)もせず」

もの‐も・う ‥もふ【物思】

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