物好・物数奇(読み)ものずき

精選版 日本国語大辞典 「物好・物数奇」の意味・読み・例文・類語

もの‐ずき【物好・物数奇】

〘名〙 (形動)
物事に特別の趣向を凝らすこと。風流なおもむきを好むこと。また、そのようなものや人。そのようなさま。すき。〔文明本節用集(室町中)〕
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「物数奇(モノズキ)座敷へ通され」
好み。趣味。
※虎寛本狂言・棒縛(室町末‐近世初)「夫はそなたの物好が能らう」
好奇心が強いこと。また、そのような人や、さま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※文づかひ(1891)〈森鴎外〉「いやしき物好にもあらず、いろなる心にもあらねど」
④ 普通と違った物事を好むこと。風変わりなものを好むこと。好事(こうず)。また、そのような人やさま。
四河入海(17C前)九「長安にものすきで有程民間に散落した石どもを買てとりて」
※俳諧・都曲(1690)上「物好(スキ)や匂はぬ草にとまる蝶〈芭蕉〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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