物凄(読み)ものすさまじい

精選版 日本国語大辞典 「物凄」の意味・読み・例文・類語

もの‐すさまじ・い【物凄】

〘形口〙 ものすさまじ 〘形シク〙 (「もの」は接頭語)
① 何となく感興がさめてしまい、気落ちしたりものたりなかったりする様子である。どことなく、殺風景である。何となく趣がない。
源氏(1001‐14頃)賢木「今よりは、かくこそはと思やられて、ものすさまじくなむ」
② 物の勢いが、何ともいえず激しい。
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「戸外の嵐は気勢を加へて、物凄(モノスサ)まじく〈略〉荒れ狂った」
ものすさまじ‐げ
〘形動〙
ものすさまじ‐さ
〘名〙

もの‐すご・い【物凄】

〘形口〙 ものすご・し 〘形ク〙 (「もの」は接頭語)
① ひじょうにおそろしい。ひじょうに気味悪い
※延慶本平家(1309‐10)六本細谷川の水の音ものすごく音信て」
浮世草子好色一代男(1682)一「次第に月さへ物すごく、一羽の声はつまなし鳥かとなを淋しく」
② 程度が激しい。はなはだしい。
※弱い結婚(1962)〈小島信夫〉「夫はこいつをものすごく大事にしている」
ものすご‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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