いん‐しん【音信】
① (━する) 便りをすること。便り。また、
手紙や
訪問によってよしみを通じること。おとずれ。おんしん。
※文明本節用集(室町中)「音信 インシン ヲトヅレ」 〔沈約‐襄陽白銅鞮歌〕
② (━する)
音信物(いんしんもの)。また、それを贈ること。
※
多聞院日記‐文祿二年(1593)二月一七日「甚六造作付、甚介音信として両種・一荷遣之」
※
浮世草子・俗つれづれ(1695)一「某
(それがし)も
名酒を造る宿へ
酒樽の音信
(ヰンシン)、さりとては
不才覚」
おん‐しん【音信】
〘名〙
① 便りをすること。また、その便り。おとずれ。
音塵。
いんしん。〔小学読本字引(1877)〕
[語誌](1)
常用漢字表では「音」のインの語例に「
音信不通」をあげ、
備考に「オンシンフツウとも」としている。「おんしん」は
呉音、「いんしん」は漢音読み。明治期になるまでは「いんしん」。
(2)「おんしん」の語形は明治一〇年(
一八七七)までには出現したが、同二〇年ころまでは「いんしん」が優勢。その後両形共存するが、
戦後は「おんしん」の方が優勢である。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「音信」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「音信」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
世界大百科事典(旧版)内の音信の言及
【手紙】より
…手には,手習い(習字)のように,筆の跡,筆跡の意味もあり,また手みずからの意味を合わせて,手簡(しゆかん),手書(しゆしよ),あるいは真実吐露の意味,まこと,しるしをも示して,書信といい,ことさら私的内容を強調して私信ともいう。いずれも音信(おとずれ),たよりを意味し,故事より雅言として,鯉素(りそ),雁札(がんさつ)ともいう。また材料の帛(きれ)により尺素というが,尺は紙の大きさを示すことから,短い文,手紙を意味する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」