熊神籬(読み)くまのひもろぎ

精選版 日本国語大辞典 「熊神籬」の意味・読み・例文・類語

くま‐の‐ひもろぎ【熊神籬】

〘名〙 (「熊(くま)」は「甘」の意とも、「隠」の意ともいわれるが未詳。「神籬(ひもろぎ)」は、神が降臨する場所として、特別にまつるための壇。「ひもろぎ」は古くは「ひもろき」) 新羅王の子、天日槍(あめのひぼこ)が日本にもたらした神をまつる具で、厨子(ずし)のように、神体が外に見えないようにおおい囲むものという。くまひもろぎ。
書紀(720)垂仁三年三月(北野本訓)「新羅の王(こきし)の子(こ)天日槍(あまのひほこ)来帰(まうけ)り。将(も)て来(きた)る物は、〈略〉日鏡一面(つ)、熊神籬(クマノヒモロキ)一具、并(あは)せて七物(ななくさ)あり」

くま‐ひもろぎ【熊神籬】

随筆玉勝間(1795‐1812)四「熊神籬一具とあるは、いかなる物にかととふに、こたへけらく、くまひもろぎとよむべし」

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