無格社(読み)ムカクシャ

デジタル大辞泉 「無格社」の意味・読み・例文・類語

むかく‐しゃ【無格社】

旧制度で、社格のない神社

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精選版 日本国語大辞典 「無格社」の意味・読み・例文・類語

むかく‐しゃ【無格社】

〘名〙 旧神社制度で、社格のない神社。明治四年(一八七一五月太政官布告により定められた、資格最下位にある神社。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉六月暦「駒込富士神社は本郷駒込神明町にある無格社(ムカクシャ)にて」

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改訂新版 世界大百科事典 「無格社」の意味・わかりやすい解説

無格社 (むかくしゃ)

1871年(明治4)制定の神社社格の一つ。1945年廃止。明治政府は,律令体制以来の社格制度を基礎に新たな社格制度を考え,太政官布告をもって官国幣社府県社以下を布達したが,その最下位にあたるもの。すなわち,官幣の大・中・小社,国幣の大・中・小社,別格官幣社の下に,府社,県社,郷社村社,無格社と定めたその最下位であるが,これは無格社という一つの格というべきものであり,独立の神社として政府が公認した点では他と異ならず,ただ神饌幣帛料が供進されることや境内地の地租免除の特典はなかった。これ以下の未公認の社もあったのである。1945年当時,全国10万9712社のうち,無格社5万9997社。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「無格社」の意味・わかりやすい解説

無格社
むかくしゃ

社格に列することに値しない神社のことをいったが、のちには最下位の社格となった。明治の社格制度は、官社(官国幣社)、府県社、郷社に分かれ、これ以下の社は、郷社の付属とされた村社、村社にも至らなかった無格社とされたが、村社・無格社も社格として取り扱われた。太平洋戦争の終戦時(1945)の社数5万9997。

[岡田荘司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無格社」の意味・わかりやすい解説

無格社
むかくしゃ

社格の一つ。旧神社制度のうえで,最も低い位置にある,公の資格をもたない神社。神饌幣帛料の供進などを受けることができなかった。

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