官社(読み)かんしゃ

精選版 日本国語大辞典 「官社」の意味・読み・例文・類語

かん‐しゃ クヮン‥【官社】

〘名〙
令制で、神祇官(じんぎかん)神名帳に記載され、祈年祭(としごいのまつり)、月次祭(つきなみのまつり)新嘗祭(にいなめさい)などを行なった神社。官帳社。式内社。官祠(かんし)
※続日本紀‐宝亀三年(772)八月甲寅「荒御玉命、伊佐奈岐命、伊佐奈美命、入於官社
② 明治以降、第二次世界大戦以前の官幣社国幣社総称。国がその経費を出していた格の高い神社。
太政官布告‐明治四年(1871)五月一四日「官社以下定額及神官職員規則等別紙の通被仰出」

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デジタル大辞泉 「官社」の意味・読み・例文・類語

かん‐しゃ〔クワン‐〕【官社】

律令制で、神祇官じんぎかんの神名帳に記載されていて、祈年祭としごいのまつり月次祭つきなみのまつり新嘗祭にいなめさいなどを行った神社。官帳社。式内社。
明治以後の官幣社国幣社の総称。

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普及版 字通 「官社」の読み・字形・画数・意味

【官社】かんしや

公立の社。

字通「官」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の官社の言及

【官国幣社】より

…官幣社と国幣社の総称。官社ともいう。古代律令制度のもとで,神祇官より例幣を奉られる社を官幣社といい,国司より例幣を奉られる社を国幣社といったが,明治の制でも官幣社,国幣社の名をついだ(ほかに府県社,郷社,村社,無格社)。…

【社格】より

…神社が国家の管理下にあった時代,神社の祭神,由緒,一般の崇敬度,規模などによりその待遇上の差をつけた等級のこと。《日本書紀》崇神天皇の条に天社(あまつやしろ)・国社(くにつやしろ)を定めたことがみられるが,律令体制の整備とともに《続日本紀》に706年(慶雲3)諸国神社のうち,甲斐,信濃,越中,但馬,土佐等の国の19社を祈年祭に幣帛を奉る社に加えたことがみられ,以後神祇官の管する官社の名がみえ,また律で大社があり,このほかに中・小社の区分をしていたらしいこともみられる。また《延喜式》で,祈年祭などに神祇官より幣帛を奉る官幣社と,国司より幣帛を奉る国幣社,さらにそれぞれを大,小に二分,大社のなかに名神大社の存したこともみえている(式内社(しきないしや))。…

※「官社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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