烟台(読み)えんだい(英語表記)Yān tái

改訂新版 世界大百科事典 「烟台」の意味・わかりやすい解説

烟台 (えんだい)
Yān tái

中国,山東省の市。市区人口172万(2000)。かつては芝罘(チーフー)の名で知られた。山東半島の北側にあり,北西に芝罘半島,北に崆峒島を控えて天然の良港をなす。青島ともつながる藍烟鉄道(藍村~烟台)の終点として内陸との交通に恵まれ,商工業も発達して半島北側第一の都市である。近年東部沿海経済開放区の中核都市として対外開放都市に選ばれ,郊外に開発区も設けられて発展が著しい。対岸の韓国との交流が盛んである。1398年(洪武31),倭寇に対する軍事基地の一つとして烽火(のろし)台が湾奥の山に設けられたのが起源で,地名もこれに由来する。この山に対して海中には,陸繫島である芝(之)罘山があり,秦始皇帝がここから海を望んで碑を建てたり,魚を射たことで有名。清末には沿海の商業港として発達し,南北交易の中継港であった。現在の博物館は,来港していた福建商人たちが建てた福建会館(天后行宮)である。
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百科事典マイペディア 「烟台」の意味・わかりやすい解説

烟台【えんだい】

中国,山東省・山東半島の北岸にあり,芝罘(チーフー)湾に臨む港湾都市。煙台とも。旧名芝罘。1858年に開港,清末には南北交易の中継港であった。藍村と結ぶ藍烟鉄道の終点で内陸との交通に恵まれ,商工業が発達する半島北側第1の都市。古くは,山東からの移民の東北への送出し港であった。181万人(2014)。
→関連項目【い】坊山東半島

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