普及版 字通 「為(漢字)」の読み・字形・画数・意味
為
常用漢字 9画
(旧字)爲
人名用漢字 12画
[字訓] なす・つくる・おもう・まねる・ため
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
象+手。〔説文〕三下に「母猴なり」とし、猴(さる)の象形とするが、卜文の字形に明らかなように、手で象を使役する形。象の力によって、土木などの工事をなす意。
[訓義]
1. なす、なる、もちいる、おさむ。名詞として、しわざ、わざ。
2. つくる、施す。
3. ~を~となすを、思考の上に及ぼして、おもう、いう。
4. 模倣的な行為に及ぼして、まなぶ、まねる。
5. 同一の関係を示す動詞、たり。
6. 介詞として、ため、ために。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕爲 母猴なり。ナス・ス・スルトコロ・セヌカ・シカスル・ツクル・シワザ・ヲコス・タスク・エラブ・マナブ・マネス・タリ・タメニ・タツ/以爲 オモヘラク・オモミル・―トオモヘリ・オモヒテ/無爲 アヂキナシ/爲 イカバカリ・イカスルヲカ/奚爲 イカガ/何爲 イカシテカ 〔字鏡集〕爲 ス・イハク・タリ・シワザ・タスク・ナス・シロシ・ヲコス・タメニ・シケ・ハタ・タツ・シク・オモフ・ヌル・マナブ・スル・ヲサム・ナリ・ツクル・タメ
[声系]
〔説文〕に譌・僞(偽)・・など爲声十一字を収める。爲hiuai、僞ngiuai、譌nguaiは声義が近い。それで為・偽を通用することもあり、〔詩、唐風、采〕「人の爲言」は「譌言(くわげん)」、また〔書、尭典〕の「南僞」を〔史記〕に引いて「南爲」に作る。
[語系]
爲hiuai、曰hiuat、以・于jia、於aは声近く、通用することがある。
[熟語]
為我▶・為学▶・為間▶・為己▶・為言▶・為後▶・為国▶・為詐▶・為作▶・為寿▶・為政▶・為善▶・為人▶
[下接語]
以為(おもえらく)・云為・営為・何為(なんすれぞ)・敢為・行為・作為・施為・所為・人為・擅為・天為・当為・無為・有為
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報