火山雷(読み)かざんらい(英語表記)volcanic lightning

精選版 日本国語大辞典 「火山雷」の意味・読み・例文・類語

かざん‐らい クヮザン‥【火山雷】

〘名〙 火山噴火の際、その噴煙に伴って発生する雷。細粒となった火山放出物が上昇途中で摩擦によって帯電するために発生する。

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デジタル大辞泉 「火山雷」の意味・読み・例文・類語

かざん‐らい〔クワザン‐〕【火山雷】

火山噴火の際、噴煙中に発生する火花放電火口の真上周辺にみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「火山雷」の意味・わかりやすい解説

火山雷
かざんらい
volcanic lightning

火山爆発の噴煙中におこる電光放電。日本では浅間山桜島などでしばしば観測されている。放電は煙の噴出が激しいときにのみおこり、電光が噴煙の中を飛んだり山頂や火口に落ちるのが見られる。普通の雷では降水粒子(雨滴氷晶あられなど)の帯電が電光放電の原因であるのに対して、火山雷の場合には灰や砂礫(されき)の摩擦による帯電がその原因であると考えられている。火山雷の規模は普通の雷よりずっと小さく、火口の真上周辺に限られる。

[三崎方郎]

『北川信一郎著『雷と雷雲の科学――雷から身を守るには』(2001・森北出版)』

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改訂新版 世界大百科事典 「火山雷」の意味・わかりやすい解説

火山雷 (かざんらい)
volcanic lightning

日本に多い安山岩質火山は爆発的噴火が特徴であり,初速100~600m/sで,火山弾火山灰火山礫(れき),軽石などが高空に放出される。このような速度で火山灰のような細かい物質が,相当な密度で放出されるとき,粒子間に摩擦による静電気が生じ,噴煙が上昇中に噴煙中で放電する現象である。噴火の規模が大きければ,火山雷もかなりの規模で発生する。
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世界大百科事典(旧版)内の火山雷の言及

【雷】より

…この火花放電は,雨,雪,ひょう等を降らせる対流雲の発電作用によって生じ,その規模はきわめて大きく,放電路の長さは2~20km(代表値5km)で,中和する電荷は3~300C(代表値25C)である。 また,火山の噴煙による電荷分離作用が火花放電を起こす場合があり,火山雷とよばれる。大火災,大気中の核爆発によっても大規模火花放電を生ずることがあり,前者は火事雷とよばれる。…

※「火山雷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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