添・副(読み)そえ

精選版 日本国語大辞典 「添・副」の意味・読み・例文・類語

そえ そへ【添・副】

〘名〙 (動詞「そえる(添)」の連用形の名詞化)
① 主なものにそうこと、そえること。また、そえるもの。山などの斜面。かたわら。そば。そい。
※宇治拾遺(1221頃)一五「二色の栗を、〈略〉かたやまのそへにうづみ給ぬ」
温故知新書(1484)「傍 ソハ ソヘ」
② さらにつけ加えること。また、そのもの。つけたし。そえもの。
日葡辞書(1603‐04)「Soye(ソエ)〈訳〉売買などの際に、追加するもの、すなわち、売ったもののほかに与えるもの」
※虎清本狂言・泣尼(室町末‐近世初)「ていしゅのさけをおまいる時まで、そへにないたに、くれまいか」
③ 人につきしたがうこと。補佐すること。また、その人。
五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉一三「我を主にして汝不足でもあらうが副(ソヘ)になって力を仮してはくれまいか」
生け花で、立花の法式の名称。心(しん)となる枝の下におく枝。主となる枝に対して、副となる枝。そえもの。〔立花大全(1683)〕
⑤ 飯の菜。おかず。副食物。
⑥ 「そえがみ(添髪)」の略。
仮名草子・都風俗鑑(1681)二「髪はそへなしに自髪斗をひきすごきてゆふなり」
⑦ 「そえうま(副馬)」の略。
※幸若・本能寺(室町末‐近世初)「鸞輿飾車千乗万騎の驂(ソヘ)にて」
⑧ ようす。状態。さま。
※ありのすさび(1895)〈後藤宙外〉一「姑はジッと見て自烈体(じれったい)まだるいと云ふ形容(ソヘ)で、前より一段言葉を強め」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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