深草遺跡(読み)ふかくさいせき

日本歴史地名大系 「深草遺跡」の解説

深草遺跡
ふかくさいせき

[現在地名]伏見区深草西浦町一丁目―八丁目

東山連峰の南端に近い稲荷いなり山の西方に広がる扇状地と、それに続く沖積平野にまたがる弥生中期初頭から中葉にかけての集落跡。遺跡の西方には鴨川の流れがあり、南方は旧巨椋おぐら池を控えた平地で、標高は約二〇メートルである。

戦後数回にわたって発掘調査が行われ、多くの遺物を検出しているが、住居跡などの明確な遺構は未確認である。出土遺物のうち主要なものを挙げれば、弥生式土器(畿内第二様式)のセット、太型蛤刃石斧・方柱状石斧・扁平片刃石斧・石包丁・石鏃など多様な石器類・鍬・鋤・容器各種などの木製品がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報