淋敷座之慰(読み)さびしきざのなぐさみ

精選版 日本国語大辞典 「淋敷座之慰」の意味・読み・例文・類語

さびしきざのなぐさみ【淋敷座之慰】

邦楽書。延宝四年(一六七六成立編者不明。江戸初期の江戸の流行歌謡を集めたもの。曲舞(くせまい)浄瑠璃道行、歌祭文など七〇種、二七〇首を収録

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改訂新版 世界大百科事典 「淋敷座之慰」の意味・わかりやすい解説

淋敷座之慰 (さびしきざのなぐさみ)

歌謡書。1冊。編者不詳。1676年(延宝4)成立。その内容は,《吉原はやり小哥そうまくり》の姉妹書として,寛永(1624-44)以来の流行歌謡,長短270編を書物から見いだしたり,見聞に従ったりして収録したもの。〈壱 本朝王代記之謡〉から〈七十 吉原しよくりしよ節品々〉に至るまで,小舞,浄瑠璃,祭文(さいもん),万歳,たたき大黒舞,西国巡礼歌品々,木遣(きやり),船歌,琴の歌品々,鞠つき歌,盆歌品々,弄斎片撥(ろうさいかたばち)昔し節品々,昔し小六(ころく)節,はやり長歌,なげぶし品々,山谷源五兵衛節品々などを収載。本書一巻によっても,近世前期の世相や歌謡の全貌が知られる。
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世界大百科事典(旧版)内の淋敷座之慰の言及

【日本音楽】より


[近世]
 現在民謡と呼ばれる歌の99%は,近世つまり江戸時代の所産である。この期の民謡の歌詞は,都会地流行の歌謡とともに,《糸竹初心集》《淋敷座之慰(さびしきざのなぐさみ)》《大ぬさ》《松の葉》などに収められ,《大ぬさ》《糸竹初心集》には楽譜も記されている。しかし,純粋な民謡を集めたものとしては,《山家鳥虫歌》《鄙迺一曲(ひなのひとふし)》,鹿持雅澄(かもちまさずみ)編の《巷謡編》(1835)などが有名である。…

※「淋敷座之慰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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