見聞(読み)みえきこゆ

精選版 日本国語大辞典 「見聞」の意味・読み・例文・類語

みえ‐きこ・ゆ【見聞】

〘自ヤ下二〙
① 見えたり聞こえたりする。
源氏(1001‐14頃)蛍「しいでたるわざ、いひいでたる事のなかに、げにとみえきこゆることなき、いと見おとりするわざなり」
② 見受けられ、また、評判になる。
たまきはる(1219)「おどろおどろしくみえきこえしかど」
③ (上代の受身の助動詞「ゆ」の意が残っているもの) 見られたり聞かれたりする。
※源氏(1001‐14頃)手習「なかなかいふかひなきさまをみえきこえ奉らむは、猶つつましくぞありける」

けん‐ぶん【見聞】

〘名〙 見たり聞いたりすること。また、そうして得た知識。見たり聞いたりしての評判。みきき。けんもん
※東帰集(1364頃)次韻酬衡侍者「万事蕭条離見聞。乾坤容我謝明君
評判記色道大鏡(1678)三「世間の見聞(ケンブン)をもって、主人よりいひわたす事也」 〔鬼谷子‐符言〕

けん‐もん【見聞】

〘名〙 (「もん」は「聞」の呉音) 見聞きすること。けんぶん。みきき。
※観智院本三宝絵(984)下「若遙見聞随喜能喜人心
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文一一「御所望とござるなら見聞(ケンモン)の一と通りおん物語り仕らん」

み‐き・く【見聞】

〘他カ四〙 見、また、聞きもする。見たり聞いたりする。
書紀(720)天武一〇年一一月(北野本訓)「随見随聞(ミキカむまま)に、匿蔽(かく)すこと無くして糺弾す」
※右京大夫集(13C前)「あるふしぎことやと人のことをみききても思ひしかど」

み‐きき【見聞】

〘名〙 見たり聞いたりすること。けんぶん。
諺苑(1797)「見聞(ミキキ)も功学」

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デジタル大辞泉 「見聞」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぶん【見聞】

[名](スル)実際に見たり聞いたりすること。また、それによって得た経験・知識。けんもん。「見聞を広める」「実地見聞する」
[類語]経験体験洗礼苦汁苦杯見聞き耳目追体験遍歴場数を踏む

けん‐もん【見聞】

[名](スル)けんぶん(見聞)」に同じ。
人間同情に乏しい実行も大分―したが」〈漱石吾輩は猫である

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「見聞」の読み・字形・画数・意味

【見聞】けんぶん

みきき。

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