淀村(読み)よどむら

日本歴史地名大系 「淀村」の解説

淀村
よどむら

[現在地名]大津市大石淀町おおいしよどちよう

瀬田せた川の南岸、大石中おおいしなか村の西にある。瀬田川と大石川との合流域に平地が開け集落があるが、ほかは山林に覆われる。曾束そつか越が通る。白鳳期槻本宿禰の創建になる大淀おおよど寺があったというが遺構など不明。中世大石庄の内にあり、織田信長の近江支配の下で大石本家は滅ぶが、大石西(新)家が淀に住んだという。集落西側の山上にある淀城の跡は豊臣秀吉に仕えた山口玄蕃頭が城主であったという。山口玄蕃頭と淀との関係ははっきりしないが、大石小山譜(近江栗太郡志)には大石家「新祖」朝良の息良定について「仕山口玄蕃頭高麗陣従軍」とある。

淀村
よどむら

[現在地名]佐用町淀

豊福とよふく村の西、大猪伏おおいぶし村の北に位置し、標高三〇〇メートル台の山地に囲まれた谷間に淀・かめさこ住中じゆうなかの三集落がある。西は美作国牛飼宮原うしかいみやばら(現岡山県作東町)。江戸期の領主変遷平谷ひらだに村に同じ。正保郷帳に村名がみえ、田方一七三石余・畠方四三石余、旱損所、芝山、小松はへ有と注記される。天保郷帳では高二二二石余。元文四年(一七三九)の旗本松井氏平福領一揆の際、当村も天狗回状に連判している(「百姓一揆一件」田住家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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