普及版 字通 「氾(漢字)」の読み・字形・画数・意味
氾
常用漢字 5画
[字訓] うかぶ・はびこる・ひろい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(はん)。は人がうつぶせに臥している形。氾とは水死者をいう。泛はその仰むけの形。〔説文〕十一上に「濫(はびこ)るなり」とあり、氾濫の意とする。広汎の意に用いるのは、汎との通用義。氾・泛・(浮)はみな人が水に浮くことを示す字である。
[訓義]
1. うかぶ、うかびながれる、ただよう、ゆらぐ。
2. はびこる、ひたる。
3. ひろい、あまねし、おおい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕氾 アマネシ 〔立〕氾 アマネシ・ウカブ・アマココシ・ニゴル・カハヘニ・シルシ
[声系]
〔説文〕に氾声として・笵を収め、範をの省声とする。みな範型の意がある字で、竹で型をとるものを笵(はん)という。に、上から被らせる意があり、型とりの方法と似ているからであろう。
[語系]
氾・泛・汎biumは同声。〔説文〕に「泛はぶなり」「汎はく皃なり」とあり、biuも声義が近い。氾・泛は流屍、は手を以てとりあげる形の字である。
[熟語]
氾愛▶・氾乎▶・氾祭▶・氾然▶・氾地▶・氾博▶・氾氾▶・氾浮▶・氾濫▶・氾利▶・氾論▶
[下接語]
遠氾・水氾・浮氾・風氾・遊氾
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報