永遠回帰(読み)エイエンカイキ(英語表記)ewige Wiederkunft

デジタル大辞泉 「永遠回帰」の意味・読み・例文・類語

えいえん‐かいき〔エイヱンクワイキ〕【永遠回帰】

永劫えいごう回帰

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精選版 日本国語大辞典 「永遠回帰」の意味・読み・例文・類語

えいえん‐かいき エイヱンクヮイキ【永遠回帰】

〘名〙 (ewige Wiederkunft の訳語) ニーチェ用語宇宙特定目標に向かって進んでいくものではなく、全体として同一の状態が円環的に繰り返すことを説き、未来に救いを求めるより現在の一瞬を充実させて生きることをすすめる思想永劫回帰

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「永遠回帰」の意味・わかりやすい解説

永遠回帰
えいえんかいき
ewige Wiederkunft

古来,ピタゴラス学派ヘラクレイトスストア派などによって説かれた,世界の出来事は円環運動を行なって永遠に繰返すという思想に,ニーチェは道徳的な意味を付与した。すなわち,生の各瞬間はもはや単に過ぎ行く現象ではなく,無限回も生起し回帰するがゆえに永遠の価値をもつものとされる。彼岸生活などに希望を託さず,その一切の喜びや苦悩とともに現実の生を英雄的に肯定するという立場から説かれる。

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世界大百科事典(旧版)内の永遠回帰の言及

【永劫回帰】より

ニーチェ最晩年の思想を表すものとして有名な用語。〈永遠回帰〉とも言う。ニーチェはヨーロッパが依拠してきたいっさいのものを――主体や意識や理性という概念も,科学や宗教や民主主義も――生の実相から離れた虚偽であると看破した。…

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