水産物貿易(読み)すいさんぶつぼうえき

百科事典マイペディア 「水産物貿易」の意味・わかりやすい解説

水産物貿易【すいさんぶつぼうえき】

世界の漁業総生産量のうち10%余が貿易の対象となり,そのうち先進国が輸入の8割前後,輸出の7〜8割を占める。日本は世界有数の生産国であるが,輸入も全世界輸入量の約30%で1位,水産物自給率は60%(1997年)にすぎない。主な輸入品はエビ,サケ・マス,マグロ,イカ,カニ,魚卵など。魚類消費の高級化で特定品の大量輸入がふえ,国内漁業への圧迫や外国産地での魚価暴騰,乱獲などの問題をひきおこしている。
→関連項目漁業クロマグロ規制サケ・マス漁業水産会社水産加工業日露漁業交渉マグロ資源保存・管理特別措置法

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版 「水産物貿易」の意味・わかりやすい解説

すいさんぶつぼうえき【水産物貿易】

世界の漁業総生産量の十数%程度が貿易にあてられている。その比率に大きな変化はないが,水産物貿易の内容は近年大きく変わってきている。世界を発展途上国と先進国の二つに分けると,漁業生産量では先進国がその比率を高めているものの,ほぼ半々である。需要サイドからみると,発展途上国は需要の9割が食糧用だが,先進国では食糧用は6割で残りの4割が飼料用である。先進国では高級魚は直接消費し,低級魚は家畜に食べさせ,肉にかえて人間が消費するのである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

旅券返納命令

外務大臣や領事官が旅券(パスポート)を返納させる必要があると認めたとき、旅券の名義人に対し、期限を設けて旅券の返納を命ずることができる規則。申請時に虚偽の記載があったときや旅券の記載事項の訂正をした場...

旅券返納命令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android