毘沙吐村(読み)びさどむら

日本歴史地名大系 「毘沙吐村」の解説

毘沙吐村
びさどむら

[現在地名]上里町毘沙吐

金窪かなくぼ村の枝郷(天保郷帳など)からす川と神流かんな川の合流点南部に位置し、北は烏川を隔て上野国那波なは川井かわい(現群馬県玉村町)、東はまゆずみ村。村内に三国みくに街道の渡船場ふじ渡および藤ノ木河岸がある。神流川はかつて西の上野国新町しんまち宿(現群馬県新町)との間を流れていたが、寛政三年(一七九一)洪水によって南の金窪村との境を流れるようになったといわれる(風土記稿)。明治一〇年代の二万分一迅速測図では合流点手前の神流川東岸に毘沙吐村地、西岸に旧毘沙吐村と記され、現在当地は合流点付近の河原となっている。戦国期よりその名がみえるが、正保国絵図・田園簿には村名はみえず、近世前期は金窪村のうちで、元禄一一年(一六九八)に分村したという(風土記稿)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報