死命を制す(読み)しめいをせいす

精選版 日本国語大辞典 「死命を制す」の意味・読み・例文・類語

しめい【死命】 を 制(せい)

死ぬか生きるかという大事なところを押えて、その人の運命やことのなりゆきを自分の手ににぎる。相手急所を押える。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉巻外「細君は確かに僕の死命を制するの手段を有って居のだ」 〔史記‐張良伝〕

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故事成語を知る辞典 「死命を制す」の解説

死命を制す

相手が生きるか死ぬかという、重要なポイントを押さえること。

[使用例] 年度毎の予算承認は、政府政策の死命を制するから、政府与野党とも、よりぬきのモサ連をくり出し[小松左京*明日泥棒|1965]

[由来] 「史記りゅうこうせい」に出て来ることばから。紀元前二世紀の終わりの中国でのこと。前漢王朝の樹立功績を挙げた参謀ちょうりょうは、主君りゅうほうが中途半端な作戦を採用しようとしたときに、その作戦で敵対する項羽の「死命を制する」ことができるかと詰問し、作戦を改めさせています。

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