参謀(読み)さんぼう(英語表記)military staff

精選版 日本国語大辞典 「参謀」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぼう【参謀】

〘名〙
① 機務密謀に参与すること。また、その人。
※随筆・九桂草堂随筆(1857)三「攻戦に用ふる人あり。参謀に侍する人あり。郡国を治むる人あり」 〔庾信‐徴調曲〕
② 高級指揮官幕僚として人事情報作戦兵站(へいたん)教育訓練などの計画に参与し、これを補佐する役目将校。〔日誌必用御布令字引(1868)〕
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五「参謀(サンボウ)桂佐久間の面々にはかに兵士を指揮しつつ」

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デジタル大辞泉 「参謀」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぼう【参謀】

謀議に加わること。また、その人。「選挙参謀
高級指揮官の幕僚として、作戦・用兵などの計画に参与し、補佐する将校。
[類語]提督将軍知将名将勇将闘将驍将軍師司令官

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「参謀」の意味・わかりやすい解説

参謀
さんぼう
military staff

幕僚とも呼ばれる。軍の指揮官が用兵,作戦などの計画を立て,これを実行するにあたって軍の指揮官を補佐する将校。 17世紀なかば以前までは,王や指揮官は必要に応じて参謀のような役割を果す将校を側近においたが,スウェーデン王グスタフ2世が 1630年代に軍制のなかに設けた主計総監は,軍の補給,移動などを計画する責任をもち,のちの参謀の性格が濃かった。グスタフ2世の軍制はヨーロッパ諸国によって模倣されたが,17世紀なかばのルイ 14世のフランス軍では maréchal général de campが参謀の役割をつとめ,maréchal de batailleが戦闘計画を立案した。参謀を制度として確立したのは,プロシアの将軍 G.シャルンホルストであり,1806年の軍制改革により,第一線指揮官に参謀を配属させた。また,21年には,中央の参謀と第一線部隊の参謀を参謀本部もとにおき,軍部省でなく,最高司令官である国王に直属させることにより,近代ドイツ参謀本部の基礎をつくった。大モルトケ参謀総長のもとに,プロシアが 66年にオーストリア,70年にはフランスに対して大勝利を収めたため,ヨーロッパ諸国は競って参謀本部制度を採用した。

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普及版 字通 「参謀」の読み・字形・画数・意味

【参謀】さんぼう

謀事にあずかる。〔三国志、魏、劉放伝〕定す。參謀の功を以て、各めらる。

字通「参」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「参謀」の意味・わかりやすい解説

参謀【さんぼう】

作戦用兵の計画,指導に当たる将校。軍隊指揮官の統帥(とうすい)を補佐するために,情報の分析,計画の策定,命令の起案などを行う。軍隊では作戦用兵の比重が高いため参謀の役割は大きく,その個性と能力が戦闘の結果に影響した例も多い。→参謀本部
→関連項目陸軍大学校

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改訂新版 世界大百科事典 「参謀」の意味・わかりやすい解説

参謀 (さんぼう)

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世界大百科事典(旧版)内の参謀の言及

【幕僚】より

…補佐には指揮官の企図全般に関する分野と専門事項に関する分野がある。旧日本陸軍では参謀と副官,旧海軍ではこれに軍医長などもあわせて幕僚と呼び,〈高等統帥ノ職務ヲ補佐シ殊ニ国防及用兵ニ関スル職務ニ参画シ又軍隊練成ノ職務ヲ掌ル〉者を参謀とした。 幕僚は古代エジプトの軍隊に発生したといわれ,軍隊規模の拡大,戦場の広大化につれ軍隊の管理・維持,作戦面に補佐者を要するようになったことに起因している。…

※「参謀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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