正物(読み)ショウブツ

デジタル大辞泉 「正物」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぶつ〔シヤウ‐〕【正物】

本当のもの。ほんもの。
「―のその男が、阿媽港何処かへ上陸している中に」〈芥川煙草悪魔
現物実物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「正物」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぶつ シャウ‥【正物】

〘名〙
① まことのもの。ほんもの。真物
歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)序幕「どうしても肝心の、正物(シャウブツ)を出さぬから」
※落語・禁酒の番屋(1897)〈三代目柳家小さん〉「無銭(ただ)の物だ、小便を持って行くのさ。正物(シャウブツ)小便で御坐いますって」
② 現物。実物。
吾妻鏡‐文治二年(1186)三月一〇日「若依処之異損、泥本法之弁者、雖地頭得分、慥可用正物神役者、敢不闕乏之故也者」
※落語・反魂香(1895)〈柳家禽語楼〉「話にのみ承って正物(セウブツ)は見ませなんだが」

しょう‐もつ シャウ‥【正物】

〘名〙 上納されるべき品物年貢官物
※吾妻鏡‐文治二年(1186)三月一〇日「若依処之異損。泥本法之弁者。雖地頭得分用正物

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