歌歌・歌唄・歌謡・謡謳（読み）うたうたい

精選版 日本国語大辞典

うた‐うたい ‥うたひ【歌歌・歌唄・歌謡・謡謳】

〘名〙

① 歌を巧みにうたう人。特に、職業的な歌手を俗にいう。うたびと。歌手。

※天徳四年内裏歌合（960）「橘世忠などはうたうたひにぞ侍ふ」

② 歌舞伎で、長唄をうたう者。狭義には、立唄、脇唄以外のうたい手をいう。

※都繁昌記（1837）劇場「諸優の本姓名〈略〉唱拍（〈注〉ウタウタヒ）等の人名を記するなり」

③ 謡を専門にうたう人。

※新世帯（1908）〈徳田秋声〉七「若い謡謳(ウタウタ)ひが、末座に坐って〈略〉高砂を謳出した」

④ (浮袋の伸縮によって海中で音声を発するところから) 魚「しまいさき（縞伊佐木）」の異名。

⑤ 魚「かじか（鰍）」の異名。〔俳諧・糸切歯（1762）〕

出典　精選版 日本国語大辞典