樹林寺(読み)じゆりんじ

日本歴史地名大系 「樹林寺」の解説

樹林寺
じゆりんじ

[現在地名]小見川町五郷内

白華山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊千手観音で、夕顔観音と称される秘仏開帳は三三年に一度。大治元年(一一二六)に千葉常重が祖平良文の守護仏千手観音を安置、稲荷山寿林寺と称し真言宗寺院として創建したという。「下総国旧事考」によれば貞和年中(一三四五―五〇)東静胤が創建し、その子僧覚源が開いたとされる。建保六年(一二一八)東胤頼が修造、宥覚をもって修行道場とした。のち木内楽胤による中興の際に禅宗に改めたという。その時期は天文元年(一五三二)ともいうが未詳。

樹林寺
じゆりんじ

[現在地名]高遠町大字東高遠 板町

月蔵がつぞう山の麓、板町いたまち村にあり、真言宗、山号は荷山。高野山金剛頂院の末。本尊は大日如来。別に境内に観音堂があり、夕顔観音という。

樹林寺の文献上の初見は保科正光書状案(保科御事歴)で、慶長六年(一六〇一)七月、保科正光は任地の下総多古たこ(現千葉県香取郡多古町)から高遠の松沢喜右衛門尉らに高遠への移転につき書を送り、「已来ハ樹林寺之観音堂可立候間、其心得尢候」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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