横目(読み)ヨコメ

デジタル大辞泉 「横目」の意味・読み・例文・類語

よこ‐め【横目】

顔の向きを変えず目だけで横の方を見ること。また、その目つき。「横目でにらむ」
(「…を横目に」の形で)ちょっと見るだけで、かかわろうとしないこと。「騒動横目に通りすぎる」
木目や紙の目などが横に通っていること。また、そのもの。
漢字部首の一。「罪」「羅」などの上にある「罒」の呼び名。あみがしら。
目をわきにそらすこと。わき見をすること。
「―もつかはずまもりゐ給へり」〈十訓抄・三〉
他に目を移すこと。他に心を移すこと。
「その後思ひかはして、また―する事なくて住みければ」〈宇治拾遺・九〉
監視すること。また、監視役。
「其人足をとらへて、厳しく―を付け」〈浮・武家義理・一〉
横目付よこめつけ」の略。
門番に取り入り、―にしなだれ」〈浮・一代男・二〉
[類語]流し目

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精選版 日本国語大辞典 「横目」の意味・読み・例文・類語

よこ‐め【横目】

〘名〙
① (━する) 横を見ること。また、目だけ動かして横を見ること。また、その目つき。よこみ。流し目。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
其面影(1906)〈二葉亭四迷〉九「横目でじろじろ旦那様の面を視ながら引退るを待って」
② (━する) 他に目を奪われること。他に心を移すこと。二心をもつこと。
※浜松中納言(11C中)三「姫君の世を背き給にしにさだまり給て、よこめなく在り付き給にたる」
③ (━する) 監視すること。また、その人。
※咄本・金地院旧蔵天理本昨日は今日の物語(1614‐24頃)「いや、よこめがあって、貴所たちにも心はゆるされぬ」
※甲陽軍鑑(17C初)品四〇上「それには横目(ヨコメ)入所、横目申かぬるをば、定なうして」
※浮世草子・好色一代男(1682)二「御門の不自由成にては門番にとり入、横目(ヨコメ)にしなだれ」
⑤ 木目や紙の目などが横に通っていること。筋目が横に通っていること。また、そのもの。
富家語(1151‐61)「笏は横目あるは見苦事也」
※相模集(1061頃か)「秋きぬと古き扇を忘れなば又はりかへよよこめならぬに」
⑦ 漢字の頭(かしら)一つ。「睪」「置」などの「罒」の部分をいう。「目」の字を横にしたものと、「网」から変化したものとがあり、後者は「網頭(あみがしら)」ともいう。この頭をもつ字は、字典では目部と网部とに分かれる。

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普及版 字通 「横目」の読み・字形・画数・意味

【横目】おう(わう)もく

人の目。人。〔荘子天地夫子(ふうし)、目の民に無きか。願はくは治を聞かん。

字通「横」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「横目」の意味・わかりやすい解説

横目
よこめ

目付

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「横目」の意味・わかりやすい解説

横目
よこめ

目付」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の横目の言及

【百姓代】より

…村方三役の一つ。村目付,横目などといったところもある。村方三役の一つである名主(庄屋,肝煎)は近世の村体制成立とともに置かれ,名主を補佐する組頭もそれとほぼ同時期に設置されたが,百姓代の成立はそれらよりかなり遅く,中期以降一般化した。…

※「横目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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