横様・横方(読み)よこさま

精選版 日本国語大辞典 「横様・横方」の意味・読み・例文・類語

よこ‐さま【横様・横方】

〘名〙 (形動)(後世は「よこざま」とも)
① 横の方向。横向き。また、そのさま。あるいは、かたわら。脇。
書紀(720)神功摂政元年二月(北野本訓)「皇后〈略〉武内宿禰(たけうちのすくね)に命(みことのり)して、皇子(すめみこ)を懐(いた)きて、横(ヨコサマ)に南海(みなみのわた)より出(い)でて紀伊水門(きのくにのみなと)に泊(とま)り」
※蘭を焼く(1969)〈瀬戸内晴美〉「その指を焼鳥の串でも食べるように唇で横ざまにしごいてなめた」
② 普通ではないこと。正しくないこと。道理に合わないこと。非道。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)三「諸の善人に於ては、横(ヨコサマ)毀謗を生せり」
※米沢本沙石集(1283)二「いかにかかる悪人をば横(ヨコサ)まには救ひ給ふぞ」
[補注]元来は「よこさ」に接尾語「ま」の付いたもので、「さま」は「とさまかくさま」の「さま」とは異なり、「様」や「方」はあたらないとする説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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